The Gold Experience |ゴールド・エクスペリエンス
2年である。
リリースされたのは、プリンスがこのアルバムを完成させてから二年後だったそうだ。
1995年 The Gold Experienceリリース
格闘技大会 K-1 WORLD GP シリーズのオープニング・テーマ『Endorphinmachine』が収録されているので、プリンスをよく知らない人もそのサウンドは知っている人も多いと思う。
プリンスとワーナーブラザーズの確執
この時期、プリンスはレコード会社ワーナーブラザーズと破格の再契約をかわしたにもかかわらず、ワーナー側の作品内容やリリース時期に関する干渉がかなり厳しかったようで、レコード会社との関係は悪化しました。
プリンスは自分の名前を捨てただのシンボルマークにし、マスターテープの権利を主張しました。
しかも楽曲は相変わらずのハイペースで制作され続け、どんどん未発表作品がたまっていく状態。
このギャップを埋めるためにプリンスはNPG名義で作品をリリースしたり、過去の作品をまとめてリリースしたり、『パープル・メドレー』を発表したり、プリンス自身の棚卸し時期にもなったわけです。
本題に戻りますが、リリースされたのは作品が完成してから二年後です。
最新のサウンドが2年前に作られたものだったら、それはもう最新じゃないよね。
それはプリンスご本人も思ってたと思う。内容が素晴らしいだけに、そりゃ余計にイライラするし不満も溜まるよね。
「プリンスくん、この前アルバムをリリースしたばかりじゃないか。お金も契約通り払ってるしね」(ワーナー)
「もう1年も待ってんだ!後一年(合計2年)なんて待てるか!話にならん!」(プリンス)
ですよね。
プリンスとしては『COME』と同時リリースしたいぐらいだったと思うの、本当のところは。
『COME』と『The Gold Experience』って双子のアルバム的なところがあるから。
2年もあれば当時のプリンスだったらアルバム4枚分、いや5枚分ぐらいは制作出来てるよね。
それをリリースしていく手段として『NPG MUSIC CLUB』というサイトを立ち上げ、毎月洪水のように曲を発表していく訳だけども、プリンスのすごいところは、自分のやりやすい環境を自分で作っていったところだよね。
iTunesストアがない時代にそれを率先して独自でやってたわけだから。本当に感覚が早すぎる人。
ミュージシャンとしての純粋すぎる、その姿勢にも毎回本当に感動してるし尊敬してる。
写真はThe Gold Experienceのアナログ盤とCDです